絶対に人に言ってはいけない言葉とういうのがあると思う。
義母はそれを言ってしまう人だった。
何もバカ・アホとかそんな単純な言葉ではなく、人の心をえぐるような言葉・・・
わたしは義母からそのような言葉を何回も聞いた。聞き流す術も覚えたが、どうしても聞き流せず、いまだにずっと私の心にへばりついている言葉がある。
ひとつは主人に向けられた言葉。ふたつめは私に対して向けられた言葉・・・
主人は一人っ子だった。下の子は、産まれてすぐに亡くなってしまったと聞いた。
あまり話したくないだろうから詳しくは聞いてなかった。
いつものように義実家を訪ねた際、またささいなことで口論を始めた。本当にくだらないことで言い合いになるので、わたしは内心呆れていた。変に仲介に入ると巻き添えをくらいそうなので、そういう時はいつもだまっていた。
その時、義母は主人に対してこう言った。
「あの子が生きていたら、良かったのに」
もうお互い、いい大人同士の口論にこんな言葉を言うとは・・・
子供のときにも言っていたらと思うと本当にぞっとした。
絶対に言ってはいけない言葉だと。
呪いのような言葉だと思った。
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